自動車部品や建設部品などの電気亜鉛メッキ加工を手がける、岐阜県の東栄コーティング株式会社。新型コロナウイルスの影響による売上減に伴い、販路拡大を実現する新しい営業施策として、営業支援サービス・カイタクの利用をスタートした。副社長として現場の製造工程改善や営業戦略立案を担当する森さんに、カイタク導入の効果や今後の展望を語ってもらった。
岐阜県の市街地に工場を構える東栄コーティング株式会社は、自動車や建設関係の部品を得意とする電気亜鉛メッキ加工会社だ。2019年の事業継承により、日本の製造業の後継者不足という問題に取り組むセイワホールディングスのグループ会社に参入。創業からの60年で積んだ高い技術と、長年の自動車業界への提供で培った確かな品質で、安定した経営を続けてきた。長期的に取引のある主要顧客との契約により収益を上げてきたが、新型コロナウイルスの影響から受注が大きく減少。大口取引先に売上を依存してきた経営は打撃を受け、休業を余儀なくされた。
副社長の森さんは、当時を振り返りこう語る。「これまでは主要取引先から受けた仕事が業務の多くを占め、工場の規模や人員の都合上、新規顧客を受け入れる余裕がありませんでした。営業マンすらひとりもいない状況だったんです。そんな中、コロナの影響で事業継続が難しくなり、取引先を広げる必要がありました。効率的な営業活動で販路を開拓するために、新しい新規営業手法の導入を検討したんです」。
当時、東栄コーティングの経営を主導していた代表取締役の野見山勇大さんは、インターネットなどで営業支援サービスを探索。SNS広告でカイタクのサービスを知った。効果が見込める仕組みとサービスの先進性に魅力を感じ、導入を決意。2020年4月、毎月問い合わせフォームにセールスレターを送るプランに申し込んだ。アプローチリスト作成やセールスレターの文面提案までが含まれたプランだ。
カイタクの導入で野見山さんと森さんが目指したのは、これまで受注の多くを占めていた自動車業界以外の取引先を開拓すること。アプローチするエリアは、近隣の東海3県に絞った。「カイタクから提供されたアプローチリストは、多種多様で未開拓のメーカーにアプローチしたいという狙い通りでした。セールスレターの文面では、製品の高い品質とコスト面でのメリットをアピールしました」と森さんは言う。
2ヵ月目からは、「コールフォロー」をオプションで追加。セールスレター内のURLに対するクリックなどの反応があった顧客に、カイタクのスタッフが電話をかけるサービスだ。森さんは、カイタク利用開始からの3ヵ月で実感した効果とカイタクの魅力をこう語る。「とにかくアプローチできる顧客数が多いのがありがたかったです。当社は岐阜の街中という工業エリア外にあり目立つ看板もないので、周辺のメーカーさんに当社を広く知ってもらうという目的を達成できました。気軽に、たくさんのお客さんにアクセスできるのがカイタクの最大の魅力ですね」。セールスレターの狙い通り、品質と価格を理由に興味を持つ顧客が多かったと森さんは振り返る。「近隣にメッキ加工業者がいる工業団地のメーカーさんもそれまで当社のことを知らず、初めてのコンタクトであるメールで、品質と費用に魅力を感じてくださいました。過去に取引のない製品を扱うメーカーさんのリードをたくさん獲得できて、さらにメールや電話での見積り依頼もぐっと増えましたね」。カイタクを導入して3ヵ月後には、平時の1ヵ月の売上の3割程度の金額の注文を獲得するなど、具体的な実績にもつながった。「その案件が終わった後に、同じお客さんから次の注文を得られました。取引の幅が広がっていることを実感しています」と森さんは言う。
森さんは、プランに含まれるクリックリスト提供のサービスも評価する。「セールスレターに含まれるURLに顧客がクリックした回数を一覧にしたクリックリストは、ホットなリードが分かるのでありがたいです。このデータのおかげで、複数回以上クリックしている顧客は見込みがあると判断して自分たちで電話をかけるなど、効率的な営業活動ができています」。オプションで追加したコールフォローも成果につながった。「電話フォローの際にリアクションが良かった顧客は受注につながりやすいので、具体的な準備をしてアポイントに臨めます。より詳しく温度感が伝わる付加サービスはありがたいですね」。
2020年11月からは、上位のプランを導入。サービス内容はそのままに件数をカスタマイズし、より多くのセールスレターを送付している。コールフォローも継続して利用中だ。
今後の営業活動の展望が開けたことも、カイタク利用の効果だったと森さんは語る。「未開拓分野のリードを獲得できたことで自分たちの事業の力を知って、開拓の余地があると確信が持てました。営業マンをひとり採用して、専業の人材を確保するという決断にもつながったんです」。営業体制強化に舵を切れたことに加えて、今後の課題も見えた。「当社は運送用のトラックを持っていなかったんです。アポイントが獲得できて商談につながっても、メッキ加工をする製品のトラックでの回収や納品ができないことを理由に、取引を断念せざるをえないことがありました。そこで輸送手段があればチャンスが広がると気付き、トラックを新たに購入しました。武器を手にして、より積極的に営業活動に取り組もうと思えたことがとても大きかったです」。
東栄コーティングでの効果を受けて、グループ会社の2社でもカイタクを新たに導入。森さんは、今後も東栄コーティングの営業戦略の選択肢のひとつとしてカイタクを活用したいと言う。「カイタクを通して営業活動への意識が変わりました。販路拡大に希望を持てたという点にもっとも満足しています。今はトラックを買ったばかりなので、次はカイタクで、大量受注品の回収や納品も可能だという文面を使ってアプローチしたいと思っています。今後の事業の変化点ごとに活用していきたいサービスですね」。
1959年創業。自動車部品、建設部品、エレベーター部品などの電気亜鉛メッキ加工を行う。2019年、大型構造物の溶接加工を手がける有限会社セイワ工業に事業継承。2021年からはセイワホールディングスのグループ会社として、自動車関係の小型製品から大型の建設製品までを加工する対応力で近隣の製造業を支えている。
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