静岡県でプラスチックのリサイクルや輸入販売のビジネスを手がける株式会社ABCマテリアル。そのリサイクル事業を支えているのが、企業から回収する再生原料だ。ABCマテリアルは、廃プラスチックの買い取り元を開拓する目的で、フォーム営業支援サービス「カイタク」を導入。利用を決めた理由や導入効果について、ABCマテリアル代表の朱文彬さんに話してもらった。
株式会社ABCマテリアルは、廃プラスチックを「マテリアルリサイクル」という方法で再生して販売している。産廃業者や運送業者、梱包業者などで発生した廃プラスチックを買い取り、素材に戻して再利用する手法だ。ABCマテリアル代表の朱文彬さんは、マテリアルリサイクルの重要性をこう話す。「日本でマテリアルリサイクルを行う業者はまだ少数です。今、日本では廃棄物を燃やして熱エネルギーを回収するサーマルリサイクルや、廃プラスチックを油などの別の素材にリサイクルするケミカルリサイクルが主流。もしくは、廃プラスチックは海外に輸出されていました。ただ、今は法律の規制が厳しくなり、主な輸出先である中国が廃プラスチックの輸入をストップしています。国内の焼却場も埋め立て地もパンクする中で、日本でマテリアルリサイクルの重要性が増しているんです」。
ABCマテリアルは、回収した廃プラスチックをリサイクルし、その素材を販売することで収益を上げている。朱さんがまずアプローチするのは、不要な廃プラスチックの処分方法やコストに困っている企業だ。日々新しい素材が開発されるプラスチックは種類が多く、分別方法やリサイクルの可否の判断が難しい。ABCマテリアルは、不要なプラスチックがある企業へ出向き、分別の助言をしながら、リサイクルが可能な素材を買い取る。「私たちに回収をさせてもらえれば、廃プラスチックの処理費用がかからず、有価物として引き取らせてもらえます。こちらに持ち込むための配送料がかかったとしても、コスト面でメリットがあります」。その主な回収元は、廃プラスチックが大量に発生する産廃業者だ。朱さんは自ら産廃業者を探し、問い合わせフォームにセールスレターを送り営業。1週間集中して行い成果は上がったが、すべて手作業のため他の仕事が手につかないという課題があった。
新型コロナウイルスの影響で落ち着いた事業を本格的に再開しようと考えていたとき、インターネット広告で営業支援サービス「カイタク」に出会ったという朱さん。問い合わせを行い、サービス内容の説明を受けて、依頼を決めた。「リストや文面の作成、フォームへの送信をすべてお願いできることに加えて、顧客への電話フォローがついていることが魅力的でした。セールスレターに対する反応があった企業に対して、こちらで1社1社連絡をとることが時間的に難しかったので、電話で最初のコンタクトをとっていただけることはありがたかったです」。
朱さんは、毎月継続して問い合わせフォームにセールスレターを送るプランを選択。1ヵ月目はエリアを限定せず、さまざまな業種にアプローチした。「自分でフォーム営業をすると手間がかかるので、送る件数が限られます。そのため産廃業者さんなど可能性が高そうな業種に絞っていました。ただ、倉庫にプラスチックパレットが積まれていて処理に困っているような企業は、他にもいるはずだと思っていました」と朱さん。カイタクではその課題をもとに、成型メーカー、不用品回収業者、食品加工業会社など、多様な業種を含むリストを作成。「1ヵ月目の送信では、9件のアポイントを獲得できました。今のところ3件の成約をいただき、他にも廃棄物がたまったらご連絡をいただけることになっている企業さんもいます。これまでお付き合いのなかった業種の企業を開拓できたことは大きな成果でした」。
1ヵ月目のアポイントや成約の数には満足したものの、その一方で、商談化したものの距離的な制約で回収ができない案件もあったという。そこで2ヵ月目は反省を活かし、ターゲットのエリアを静岡県内に限定し、業種を問わずアプローチ。12件が商談化し、1ヵ月目以上の成果があがっている。「セールスレターへの返信だけでなく、直接電話をいただいたり、ホームページに見積り依頼をいただいたりという形での反応も多いので、実際はもっと多く商談化しています。実は今、私の体がアポで埋まってほかのことができないくらいでして(笑)。こちらからの連絡が追い付かないほど反応が多く、ひとつひとつ対応している段階ですね」。
ABCマテリアルの場合、カイタクの利用目的は新規顧客へのアプローチではなかったが、廃プラスチックの処分という課題を抱える企業に必要な情報を的確に届けるという用途において、朱さんはその効果を実感している。「BtoB営業の形として、企業にとってのメリットや、商材の情報を伝える方法としてとても理に適っていると思います」と朱さんは言う。
ABCマテリアルは、廃プラスチックのリサイクルに加えて、新電力の販売代理店と、フィッシングカヤックの輸入販売を事業の軸に据えている。朱さんは今後、直営店とオンラインでのフィッシングカヤック販売と、卸売事業を展開する予定だ。日本総代理店として輸入したカヤックを取り扱う店舗を新規開拓する活動に、カイタクを活用したいと考えている。「日本中のカヤックショップやアウトドアショップ、カヤックをレンタルするホテルやマリンスポーツの施設などにアプローチしたいです。営業相手がハッキリしていますし、多くの企業に効率的にアプローチできるカイタクなら成果をあげられると期待しています」と朱さんは言う。
一方で今後のカイタクには、プランの多様化も期待している。「用途によっては、もっと多くの企業にアプローチしたいこともあるので、メニューやオプション、送付件数などが、さらに選べるとありがたいですね」。
2015年設立、2019年からプラスチックの再生事業を軸とした、プラスチックの回収や買い取り、再生素材の販売の業務を開始。廃棄物の輸入規制など、プラスチック処理に関する世界的情勢が変化する中、廃プラスチックの国内処理を進めるソリューションを提案している。
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