集客は、自社の商品やサービスについて顧客に知ってもらうための活動で、営業活動の一つです。
集客の方法には、ポスティングやテレアポ、看板などの従来からの方法から、Web広告やSNS広告などインターネットを駆使した方法など多岐にわたります。
効果的な集客を実現するためには、これらの集客方法について基本を押さえ、自社の商品にマッチした方法を選ぶことが大切です。
そこで、本記事では、各集客手法の実施方法や、集客効率をアップさせるためのコツなどを解説します。
集客の重要性
マーケティングにおける集客は、自社の商品やサービスの魅力を多くの人に知ってもらい、購入や成約につなげるために必要不可欠な活動です。
いくら自社で高クオリティの商品やサービスを生み出していても、その良さやメリットを顧客が知らなければ、売上につなげることはできません。
そこで、効果的な販促などの集客活動をして多くの潜在顧客に存在を知ってもらい、購入につなげる必要があるのです。
集客数が多ければ多いほど、購入率が高くなり、収益向上につながります。
効果的な集客方法8選
集客方法にはさまざまな種類がありますが、特に効果的な方法は次のとおりです。
- テレアポ
- ポスティング
- 看板
- DM(ダイレクトメール)
- セミナー・展示会
- プレスリリース
- Web広告
- リスティング広告
以下では、上記8つの集客方法について詳しく説明します。それぞれメリットとデメリットがあるので、どちらも踏まえた上で自社に合った方法を選ぶようにしましょう。
テレアポ
テレアポは、顧客に電話で自社の商品やサービスを案内する集客方法です。
テレアポのメリットは、新規顧客に幅広くアプローチできる点です。
また、顧客と直接会話する方式のため、顧客のニーズや要望を直接聞き取りながら営業できるメリットもあります。
トークスクリプトや話し方の工夫次第で、新規顧客の興味を引き付けやすい営業手法です。
一方で、一人ひとりに電話をかけ、会話する必要があるため、アポインターには大きな負担がかかります。向き不向きが出やすいと言えるでしょう。
また、要件を言う前に突然電話を切られたり、きつい言葉を投げかけられるケースもあるため、精神的な負担が大きいデメリットもあります。
ポスティング
ポスティングは、ターゲット層が居住している確率の高いエリアを中心に、チラシを家やマンションのポストに直接投函する方法です。
自社や店舗のスタッフが担当する場合と、業者に委託する場合があります。
ポスティングされたチラシはその家に住んでいる人が必ずと言っていいほど手に取るものなので、目を通してもらいやすい点がメリットです。
また、ポスティングするエリアを細かく設定できるため、潜在顧客が求めるニーズに合わせた情報をピンポイントで配布でき、集客につなげやすいメリットもあります。
一方、顧客の中にはチラシの投函自体にネガティブなイメージを持っている人もいることを念頭に置く必要があります。
看板
看板は、街中に自社商品・サービスを案内する看板を出し、顧客に興味を持ってもらう手法です。
看板は多くの人の目に留まりやすいため、興味を引くことができれば大きな宣伝・集客効果が望めます。
インパクトのあるデザインやわかりやすいレイアウトなど、一目見て内容が把握できるデザインや印象に残りやすいデザインにすると効果的です。
看板にもさまざまな種類があり、昔ながらの立て看板の他にも、デジタルサイネージや店頭のウェルカムボード、バナースタンドなど多岐にわたります。
ウェルカムボードなどでは、スタッフの手描きイラストを載せるなどして、温かみを演出する方法もあります。
看板は、自社や店舗に合った種類を選ぶことが大切です。
DM(ダイレクトメール)
DM(ダイレクトメール)は、商品やサービスの案内をチラシやカタログ、小冊子などの形で顧客の元へ郵送して集客につなげる方法です。
新規顧客や既存顧客だけでなく、離脱客にも郵送してアピールし、集客につなげます。
DMのメリットは、全国どこでも案内を送れるため、多くのエリアで宣伝・集客活動ができる点です。
また、カタログや小冊子などの形にすれば、自社の商品やサービスについて詳しい説明を届けられる点もメリットです。
一方で、DMを送るには、あらかじめ郵送先の顧客リストを作成したり、宛名書きや封入作業の手間がかかります。
セミナー・展示会
セミナーは、自社商品やサービスに興味がありそうな見込み客を集めて、商品やサービスが関わる分野の勉強会を開催する手法です。
セミナーに参加するだけで学びが得られるため、その分野に興味のある顧客が集まりやすいです。
また、その分野に役立つ自社商品やサービスを直接宣伝できるので、購入や成約につながりやすいメリットがあります。
展示会は、自社商品やサービスを実際に展示し、顧客に見たり触れたりしてもらう手法です。
セミナーと同様に、直接宣伝できるメリットがあります。また、その場で商談を始めることもできるので、すぐに購入や成約が期待できます。
その場では商談に至らなくても、顧客と名刺交換することで知名度の向上やネットワークの拡大が期待できるのもメリットです。
セミナーや展示会は、見込み客の招待から始まって会場の設営、当日の運営、セミナーのシナリオ作成など事前準備を丁寧に行うことが求められます。
プレスリリース
プレスリリースは、自社が新商品(サービス)のリリースについて新聞社や雑誌社、テレビ番組の制作会社などのマスメディアに情報を送り、取材を受ける手法です。
取材を受ければマスメディアを通して広く宣伝してもらえるので、集客効果は抜群です。
一方で、プレスリリースをすれば必ず取り上げてもらえるという保証はありません。
また、仮にマスメディアを通じて宣伝されたとしても、商品やサービス自体に真の魅力がなければ集客は望めないでしょう。
したがって、プレスリリースは全ての商品(サービス)について行うのではなく、特に宣伝したい目玉商品や特別なサービスに絞って行うと効果的です。
Web広告
Web広告は、インターネット上に自社の商品・サービスの広告を掲載する手法です。
インターネットは老若男女問わず多くの人が利用しているため、幅広いターゲット層へのアプローチが可能です。
また、Web広告はクリックするだけで自社商品・サービスの公式ページに飛べるので、顧客にリーチしやすく、購入や成約につなげやすい点もメリットです。
一方、Web広告はネットユーザーからすると見たいページに突然現れるものなので、嫌悪感を持たれるケースもあります。
したがって、Web広告のデザインはわかりやすく見やすいものとし、ネットユーザーのストレスにならないよう配慮する必要があります。
リスティング広告
リスティング広告は、検索エンジンの検索結果ページの上部に広告を表示させることでユーザーの興味を引く手法です。
ネットユーザーが指定のワードで検索をした際、検索結果の上部に自社のページを表示できる仕組みなので、商品やサービスに合った検索キーワードを設定でき、そのキーワードについてニーズがある顧客に向けてピンポイントでアピールできます。
また、商品サイトのクリック数で広告費が決まるので、成果に応じて広告費を計算しやすく、予算を組みやすい点もメリットです。
一方、検索結果ページの上部に広告を表示させるためには、競合サイトよりも質が高く信頼性のあるサイト作りをしなければならない大変さがあります。
集客方法としてSNSの活用もおすすめ
SNSも集客方法として大いに活用できます。
おすすめのSNSは主に以下の5つです。
- X(旧Twitter)
- TikTok
- YouTube
以下では、上記5つのSNSの特徴について紹介します。それぞれ向いている広告手法が異なるため、特徴をしっかり押さえた上で活用することが大切です。
X(旧Twitter)
X(旧Twitter)は、基本的に140文字の「ポスト」と呼ばれる短文投稿で、自分の意見や情報を発信できるSNSです。
また、他のユーザーから「リポスト(引用リポスト)」や「いいね」をしてもらうことで、自分が発信した情報を拡散させることができます。
月間アクティブユーザー数 | 推定5300万人 |
メインユーザー層 | 10~30代・男女 |
メイン情報 | 文章 |
コメント | 可 |
DM | 可 |
拡散性 | 高 |
広告機能 | 有 |
特殊機能 | リポスト、ハッシュタグ、アンケート |
マーケティング手法としては、X 広告、ポストなどがあり、新商品や販売中の商品(サービス)の情報発信などに適してます。
また、ハッシュタグをつけてユーザー参加型のキャンペーンをポストすることで、一層の拡散をねらえます。
Instagramは、画像やショート動画などビジュアルに訴える投稿を主とするSNSです。
月間アクティブユーザー数 | 推定4500万人 |
メインユーザー層 | 20~30代・女 |
メイン情報 | 画像 |
コメント | 可 |
DM | 可 |
拡散性 | 中 |
広告機能 | 有 |
特殊機能 | ハッシュタグ、ストーリーズ、投稿の宣伝 |
マーケティングとしては、Instagram 広告、フィード投稿、ストーリーズなどが挙げられます。
飲食店やカフェ、観光業や販売店など、商品・サービスの写真や動画を見たユーザーが「ほしい」「行ってみたい」と思ってもらうのに効果的です。
コスメや生活雑貨など、使い方の写真や動画をアップして訴求する方法にも向いています。
Facebookは、実名登録を基本としたSNSです。匿名の不特定多数とつながるというよりは、友人知人同士でのコミュニケーションに使われるケースが大半です。
月間アクティブユーザー数 | 推定3000~4000万人 |
メインユーザー層 | 20~60代・男女 |
メイン情報 | 文章、画像 |
コメント | 可 |
DM | メッセンジャーを通してのやり取り可 |
拡散性 | 中 |
広告機能 | 有 |
特殊機能 | 投稿の宣伝 |
マーケティング手法としては、ビジネスの投稿やFacebook 広告などが挙げられます。
「東京都在住 男性 30歳 アウトドアが趣味」というように、Facebookには必要な情報がある程度登録されているため、ターゲティングがしやすい点がメリットです。
TikTok
TikTokは、主に15秒・60秒・3わから構成されるショート動画形式のSNSです。若年層をターゲットとする集客に向いています。
月間アクティブユーザー数 | 推定1100~2200万人 |
メインユーザー層 | 10~20代・男女 |
メイン情報 | 動画 |
コメント | 可 |
DM | 可 |
拡散性 | 高 |
広告機能 | 有 |
特殊機能 | ハッシュタグ、投稿の宣伝 |
宣伝方法としては、TikTok 広告・動画投稿が挙げられます。
TikTokユーザーは「短時間で効率的に良い情報を知りたい」という人が多いので、簡潔かつインパクトのあるショート動画を載せると効果的です。
また、1本だけでなく何本もショート動画を投稿することでファンがつき、クリックや来店、購入につなげることも期待できます。
YouTube
YouTubeは、動画投稿に特化したSNSで、アップロード時間が最大256GB、または12時間のいずれか小さい方までの動画を投稿できる点が特徴です。
月間アクティブユーザー数 | 推定6700万人 |
メインユーザー層 | 10~60代・男女 |
メイン情報 | 動画 |
コメント | 可 |
DM | 不可 |
拡散性 | 高 |
広告機能 | 有 |
特殊機能 | ハッシュタグ、チャット、ショート動画、投稿の宣伝 |
YouTubeのマーケティングの手法には、YouTube 広告や動画投稿などが挙げられます。
幅広い年代で利用されており、大変影響力のあるSNSなので、多くの顧客を得やすい点がメリットです。
一方で、投稿内容によっては些細なことでも炎上する可能性があるため、慎重に準備する必要があります。
YouTubeでは長尺の動画だけでなく、TikTokのようなショート動画を載せてユーザーの興味を引くことも可能です。
集客成功率をアップさせる方法
いくつかのコツを押さえるだけで、集客成功率をアップさせることができます。
押さえておきたいコツは以下のとおりです。
- ターゲット層を明確にする
- 意識的にPDCAを回す
- 複数の集客方法を活用する
- 新規顧客と既存顧客で施策を変える
以下では、上記4つのコツについて詳しく解説します。ターゲット層を明確にし、それに合った集客方法を練ることが大切です。
ターゲット層を明確にする
集客活動に移る前に、自社がどのような層をターゲットにしたいのかを明確化する必要があります。
ただ漠然と多くの顧客に宣伝しようとしても、興味を引く宣伝ができるとは限りません。
また、万人に対して同様の効果を発揮する集客方法を実施することはほぼ不可能です。
そこで、あらかじめ自社の商品やサービスをどのような層に利用してほしいのか、どの層を対象にすれば売れそうかなどについてはっきりと決めておくことが大切です。
意識的にPDCAを回す
集客は一度実施したらそれで終わりではなく、PDCAを回すことでブラッシュアップしていくことが大切です。
PDCAとは、「Plan(計画)」「Do(実行)」「Check(評価)」「Action(改善)」の略で、これらの行為を繰り返すことで業務改善していくことを「PDCAサイクルを回す」と言います。
集客についてどれだけじっくり戦略を練ったとしても、実行してみなければ効果の程度はわかりません。
集客が上手くいかなかった場合は、方法を見直し、改善点を検討することが重要です。
少しずつ修正しながら、徐々に結果を出していくように心がけましょう。
複数の集客方法を活用する
複数の集客方法を組み合わせることで、相乗効果をねらうのも有効な方法です。
たとえば、Web広告とSNS、ポスティングの組み合わせなどが挙げられます。
具体的には、レストランの新店舗出店の際に、Webに広告を出し、XやInstagramに店舗の様子やメニューなどの写真を投稿します。
そして、近隣の住宅にクーポン付きのチラシを配布すれば、特定のエリアからネットユーザーまでターゲティング可能です。
また、必要に応じて集客方法を増やしたり、効果のない方法は新しい方法に変えたりなどの臨機応変な対応も大切です。
新規顧客と既存顧客で施策を変える
新規顧客と既存顧客とは、自社の商品・サービスに対する興味の度合いが異なるため、それぞれ施策を変えると効果的です。
たとえば、既存顧客はすでに商品・サービスの良さやデメリットを知っているため、新たな情報をDMやメルマガでお知らせするのが向いています。
しかし、新規顧客はそもそも商品・サービスを知らないため、まずはポスティングやWeb広告などでわかりやすく商品の良さを宣伝する必要があります。
どちらも同じ施策を行ってしまうと、「片方には訴求したのに、片方は興味を持たなかった」というアンバランスな結果につながるので気を付けましょう。
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さらに、顧客の反応をデータ化し、独自ツールで計測することで、集客のPDCAサイクルを効果的に回すことが可能です。
まとめ
集客は、自社の魅力的な商品やサービスを多くのターゲット層に知ってもらうための重要な営業活動です。
効果的な集客方法には、ポスティング、テレアポ、DM、Web広告、SNS広告などさまざまな種類の方法があります。
こうした多種多様な方法を臨機応変に組み合わせて営業活動を行うことで、より効果的な集客を実現できます。
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