SaaSビジネスにおすすめの新規開拓営業手法は?20の悩み別の解決法も

SaaSビジネスにおすすめの新規開拓営業手法は?20の悩み別の解決法も

グループウエアや会計ソフト、営業支援システムなどビジネスシーンで広く利用されているSaaS型サービス。一度導入して終わりではなく使い続けてもらうことが重要なサービスだからこそ、新規顧客の開拓にもSaaSならではのポイントがあります。今回は、SaaS型サービスを展開する企業におすすめの新規開拓営業の手法について解説。SaaS型サービスの営業でよくある20の悩みと、その解決策もお伝えします。

目次

SaaSとは?サブスクリプションとの違い

SaaSとは、Software as a Serviceの略。これまでパッケージソフトとして販売されていたサービスをオンラインで使えるクラウドサービスとして提供する形式です。オフィスソフトやストレージサービス、またテレワークの普及で浸透したオンライン会議ツールやビジネスチャットなどもSaaSです。ユーザーが定額の料金を支払い、ベンダーが稼働するサービスをオンライン上で利用します。

パッケージソフトの購入に比べて導入コストが低く、すぐに利用を始められるのがSaaSの特徴。プロダクトは適宜ベンダーによってアップデートされるため使いやすく、インターネット環境があれば自宅などのオフィス外で使えることもメリットです。商品を購入するごとに料金を支払うのではなく、一定の料金を支払っている契約期間内は自由に使うことができる形式を、サブスクリプションとも呼びます。

SaaS市場は年々拡大

SaaSビジネスは今、急速に市場を拡大しています。スマートキャンプがSaaS市場の動きをまとめた「SaaS業界レポート2019」によると、SaaS市場は年平均成長率約12%で成長中。また、ソフトウエアビジネスの市場において、2016年度から2021年度にかけてパッケージソフトの比率が61.9%から53.4%へ落ち込んでいるのに対して、SaaS比率は38.1%から46.6%へ上昇。2023年には、SaaS市場が約8,200億円へ拡大すると見込まれています。

SaaSの特徴

SaaSは、パッケージソフトなどの商品の販売とはビジネスの形式が異なります。SaaSは、ひとつのプロダクトを複数のユーザーが使用するビジネスモデル。そのためパッケージソフトに比べて安価でサービスを提供でき、アップデートもスピーディに行えます。また、開発リソースをひとつの商品に集中できるという提供側の利点もあります。

SaaS型サービスを営業するポイント

パッケージソフトなどの買い切りの商品を売る営業と、SaaSの営業に求められる姿勢は違います。商品を売る上では、営業トークや価格など製品力以外の強みで成約を得ることも可能です。ただ、SaaSは一度申し込みを得ても、導入後に顧客満足度が下がり、サービスの解約をされてしまうと利益は上がりません。使い続けてもらうためには、顧客の課題やサービス導入で実現したいこと正確に把握し、それを解決する手段として自社サービスを提供する必要があります。

サービスの解約を防ぐためには、顧客の目標達成まで寄り添うカスタマーサクセス的な視点も求められます。申し込みを得て終わりではなく、継続的に顧客の満足度を注視することが、SaaS型サービスの新規開拓営業に求められます。

◆新規開拓営業のポイントとチェックリストはこちら→新規開拓営業を成功に導くコツは?準備チェックリストも紹介

顧客の声をプロダクトの改善に活かせるSaaS

また、もし顧客の要望に沿えず失注したとしても、SaaSなら顧客の声をプロダクトの改善に活かすことができます。改善を繰り返すことが、よりよい製品を多くのユーザーに継続して使ってもらうことにつながります。顧客への理解を深めることは無駄にならないため、顧客の目的を理解することなく無理に売ることはやめましょう。

SaaS型サービスに適した新規開拓手法とは?

では、SaaS型サービスの新規開拓営業には、どのような手法が適しているのでしょうか。その内容を解説します。

フォーム営業

企業の問い合わせフォームにセールスレターを送るフォーム営業。問い合わせフォームを持っている企業ならどこでもアプローチができます。電話や訪問による営業と比べて、サービスの特徴や導入メリットを文章や箇条書きでわかりやすく伝えることが可能。実績や業界での導入率などの数字も示せるためSaaSの営業に適しています。問い合わせには必ず返信するというルールを設けている企業も多いため、開封率や返信率が高いのもメリットです。担当者が文面を作成してフォームに送信する方法や、アタックリストや文面作成を依頼できる営業支援サービスを利用する方法もあります。

◆フォーム営業について詳しくはこちら→フォーム営業とは?メリットや成功につながるステップを解説

コンテンツマーケティング

コンテンツマーケティングは、自社メディア等で顧客に有益な情報を提供することで、自社やサービスに関心を持ってもらう手法。導入のメリットや事例などの情報を発信することで、顧客側から情報を見つけてもらうことを目指します。SaaSの導入を検討する企業の担当者は機能などの情報収集を行って判断するため、情報を発信するコンテンツマーケティングはSaaSサービスのリード獲得に適しています。ダウンロード資料の提供等によって、顧客の情報を獲得して具体的な商談につなげます。コンテンツの制作やメディアの運営は、専門スキルを持つベンダーに外注することも可能です。

ホワイトペーパー

ホワイトペーパーとは、サービスの事例や顧客の声によって、導入メリットや課題解決策を紹介する資料のこと。数ページのPDFから冊子状の資料まで、用途や内容によって分量はさまざまです。自社サイトでダウンロード資料として提供し、顧客の情報を獲得して商談につなげることもできます。パッケージソフトからSaaSへの切り替えを検討している顧客や、SaaSの特徴を把握しきれていない顧客に対して、導入のメリットや効果を伝えたいときに有効です。ホワイトペーパーの記事やデザインは自社で制作する方法もありますが、予算に余裕があれば外注も可能です。

セミナー/ウェビナー

セミナーやオンラインで実施するウェビナーも、新規顧客獲得手段のひとつです。SaaS型サービスや関連する知識など、顧客が知りたい情報について解説するイベントを開催します。イベント後、参加者が登録したメールアドレスなどの情報をもとに顧客にアプローチができます。オンラインで行うウェビナーは大規模な会場や多くのスタッフが不要なため、コストをかけられない中小企業の施策にも向いています。顧客にとって有益なコンテンツを発信することで、信頼を獲得することが可能です。

クライアントの他部署への横展開

規模が大きいクライアントやビジネス領域が多岐にわたる企業と取引がある場合は、同じ会社の他部署にサービスを広げるのもSaaSに有効な新規開拓手段です。横展開をするためには、まずは既存クライアントの満足度を高めることが必要です。信頼を獲得して関係性ができたら、他部署の制作に関する情報をヒアリングして、担当者を紹介してもらえるようにコミュニケーションをとりましょう。

◆テレワークでできる新規開拓営業の方法についてはこちら→テレワークでも新規開拓営業するなら おすすめ手法5選

SaaS型サービスの新規開拓の悩み20とおすすめ営業手法

では次に、SaaS型サービスを展開する企業でよくある新規開拓営業の悩み別に、おすすめの手法を紹介します。

①自社の知名度が低い

知名度の低さから新規顧客への営業が難しいと感じているケースは、サービスのメリットをしっかりと伝えられる手段がおすすめです。SaaSのメリットをアピールできるホワイトペーパーや、セミナー/ウェビナーの開催も有効。

【おすすめの新規開拓手法】
  • フォーム営業
  • コンテンツマーケティング
  • ホワイトペーパー
  • セミナー/ウェビナー

②実績が少ない

導入実績がまだ少なく売りづらいと感じている企業には、製品力を伝えられる方法や、ノウハウの発信や有益な情報で顧客を引き付ける方法がおすすめです。既存顧客から信頼を獲得している場合は、クライアントの企業内での横展開も視野に入れましょう。

【おすすめの新規開拓手法】
  • フォーム営業
  • コンテンツマーケティング
  • セミナー/ウェビナー
  • クライアントの他部署への横展開

③まだ製品ができていない

プロダクトが完成していない段階でも、自社やサービスの周知、見込み客の獲得は可能です。サービスの内容を直接紹介するものだけでなく、顧客を引き付ける有益な情報やコラム記事で自社の魅力を伝えましょう。

【おすすめの新規開拓手法】
  • コンテンツマーケティング
  • セミナー/ウェビナー

④目を引くわかりやすいアピールポイントがない

他社より優れているわかりやすい強みを持っていないため、新規開拓で顧客の関心を得にくいと感じることも。そんなときは、サービスやプロダクトの確かな品質をアピールできる方法がおすすめです。

【おすすめの新規開拓手法】
  • フォーム営業
  • ホワイトペーパー
  • セミナー/ウェビナー

⑤アタックリストの作り方がわからない

新規開拓営業のリスト作りに悩んだら、アタックリストの作成も依頼できる営業支援サービスを利用するのもひとつの方法です。コンテンツの発信で、顧客側から自社を見つけてもらう施策も有効。

【おすすめの新規開拓手法】
  • フォーム営業
  • コンテンツマーケティング
  • ホワイトペーパー
  • セミナー/ウェビナー

⑥どんな顧客に自社サービスが合うのがわからない

どんな企業が自社サービスを求めているのかわからない場合は、まずは情報発信に力を入れましょう。アタックリストの作成をプロに任せられる営業支援サービスを活用するのもひとつの方法。

【おすすめの新規開拓手法】
  • フォーム営業
  • コンテンツマーケティング
  • セミナー/ウェビナー

⑦営業をかけたい企業の連絡先がわからない

具体的にサービスを届けたい企業が定まっていても、電話番号やメールアドレスがわからず営業に苦戦している場合は、問い合わせフォームを使った新規開拓営業がおすすめです。

【おすすめの新規開拓手法】
  • フォーム営業

⑧営業担当者が少ない/いない

営業担当者が少ない、また営業専任の人員を確保できないという課題も。マーケティング担当者が情報発信に注力する、またアタックリストやセールスレター作成も依頼できる営業支援サービスを利用するのもひとつの方法です。

【おすすめの新規開拓手法】
  • フォーム営業
  • コンテンツマーケティング
  • クライアントの他部署への横展開

⑨営業ノウハウがない

顧客の課題を正しく把握して解決策を提供することが求められるSaaS型サービスの営業。ノウハウがないという課題を持つ方は、コンテンツマーケティングやセミナー開催で情報を発信して信頼を獲得しましょう。

【おすすめの新規開拓手法】
  • コンテンツマーケティング
  • ホワイトペーパー
  • セミナー/ウェビナー

⑩営業してもアポイントがなかなか取れない

アポイントの獲得に苦手意識を感じている企業は、コンテンツの発信によって顧客から能動的な問い合わせが得られる仕組み作りが有効です。

【おすすめの新規開拓手法】
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  • ホワイトペーパー
  • セミナー/ウェビナー

⑪商談はできても導入につながらない

商談まで進んでもなかなか導入につながらないというケースは、SaaSやサービスの魅力を伝えきれていないのかもしれません。改めて自社サービスの強みを整理できる営業・マーケティング手法がおすすめです。

【おすすめの新規開拓手法】
  • コンテンツマーケティング
  • ホワイトペーパー

⑫大企業を開拓したいが方法がわからない

大企業の中には電話や訪問の営業は断っているという企業も。大企業へのアプローチには、サービスのメリットを整理して伝えることができ、営業を受ける側も落ち着いて検討できるフォーム営業がおすすめです。

【おすすめの新規開拓手法】
  • フォーム営業
  • コンテンツマーケティング
  • ホワイトペーパー

⑬新規開拓にかけられる予算が少ない

営業予算が少ない企業には、アタックする数を絞り、狙いを定めてアプローチできる方法がおすすめ。ホワイトペーパーなど、サービスの魅力が伝わる資料を営業用に作っておくのも有効です。

【おすすめの新規開拓手法】
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  • ホワイトペーパー
  • クライアントの他部署への横展開

⑭時間をかけずに新規開拓がしたい

営業の人員や手間をかけられない企業は、営業支援サービスの利用やコンテンツ制作の外注がおすすめです。費用はかかるものの、担当者の負荷をおさえつつ、多くの企業に効果的にアプローチできます。

【おすすめの新規開拓手法】
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  • コンテンツマーケティング
  • ホワイトペーパー

⑮既存顧客のフォローで手いっぱい

既存顧客のフォローやカスタマーサクセスに手をかけているため、営業に時間も予算もかけられないという会社もあるでしょう。そんな方は、クライアント対応をしながらも、同じ会社の他部署へ広げる可能性も見据えておくのが大切です。

【おすすめの新規開拓手法】
  • クライアントの他部署への横展開

⑯信頼度が上がらない

パッケージソフトを使い慣れた顧客の中にはSaaS導入にハードルを感じる企業もあるでしょう。そんな顧客からも信頼を得るためには、製品力やサービスの使いやすさを発信できる方法がおすすめです。

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  • ホワイトペーパー
  • セミナー/ウェビナー

⑰SaaS型のメリットが伝わらない

SaaS型のメリットを知ってもらえないという悩みには、コンテンツやノウハウの発信でSaaSサービスの魅力を伝える方法がおすすめ。無料や格安のトライアルプランを設けて、まずは使い心地を実感してもらうのも有効です。

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  • ホワイトペーパー
  • セミナー/ウェビナー

⑱SaaS型の仕組みが伝わりにくい

SaaSの仕組みが伝わりにくいというケースにも、じっくりとSaaSやサービスのことを知ってもらえるセミナー/ウェビナーの開催などが有効です。無料や格安で使ってもらうトライアルキャンペーンの実施もおすすめ。

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⑲申し込んでも早い段階で解約されてしまう

申し込んでも早い段階でサービスを解約されてしまうという問題には、サービスに顧客が必要としている機能が備わっていない、顧客の課題解決方法として適していないなどの原因が考えられます。プロダクトの魅力を伝えられる営業施策が有効です。

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⑳類似サービスに乗り換えられてしまう

申し込み後、早い段階で他社製品へ乗り換えらえてしまうという悩みも。その原因は、自社サービスの機能を正しく伝えきれていないことかもしれません。顧客の課題を正しくヒアリングして的確に解決策を提示できる営業体制を整えましょう。失注の原因をプロダクトの改善に活かすことも大切です。

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SaaS型だからこそ長く付き合える顧客を見つけよう!

SaaS型のサービスはパッケージの買い切りに比べて導入コストが低いというメリットがありますが、すぐに利用ができる一方で、使いにくいと感じたら他社のSaaS製品に切り替えられてしまうリスクもあります。営業力だけで成約にこぎつけても、実際に使ってみたら自社に合わなかったという事態も招きます。SaaS型ビジネスの営業には、顧客の課題を知るためのヒアリング力や、顧客の成功を見据えた提案が欠かせません。継続利用が重要なSaaSだからこそ、顧客に寄り添う姿勢が重要です。


 

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